刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第4章 約束
肩を竦めながら聞いたら呆れたように答えられたけど、ほっと胸を撫で下ろした。大倶利伽羅さんは忠告してくれたんだ。案外親切なんだな…
「教えてくれてありがとうございます。さ、行きましょう」
「…」
「ほら、早く行きますよ!」
「…はあ」
半ば諦めたように溜め息をつき、渋々了承してくれた大倶利伽羅さんと手入れ部屋に向かう。
本体をよく見ると見落としそうな程小さい傷が付いていた。すぐに手入れし、大倶利伽羅さんの腕の傷も消毒する。
「大倶利伽羅さん」
「…」
「怪我しても隠さないって約束してくれませんか?」
大倶利伽羅さんは眉を寄せた。でも、これからも傷を隠されたりすることがあるなら私は心配で仕方がなくなってしまう。
約束をすれば神様である大倶利伽羅さんはその約束を破れないんじゃないかと思った。
「…やっぱり、ダメですか…?でも…そうしないと心配で大倶利伽羅さんに付きまとう事になると思いますよ」
「…慣れ合うつもりはない」
「だったら約束してくれますか…?」
駄目元で聞いてみると、大倶利伽羅さんは溜め息混じりに「…わかった、約束だ」と言ってくれた。
これを機に一人で戦い、一人で死ぬとか…
そんな考えも変えていけたらいいな…と密かに思った。