刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
心臓の音がうるさく鳴り響いている。
あれから大倶利伽羅さんは私をずっと抱き締めたままだ。
「お、おおくり、からさん…」
「なんだ」
「恥ずかしすぎて、どうにかなりそうです…お願いだから、少し離して…下さい…」
「…嫌だ」
「え…」
「離したくない…」
「…」
どうしよう。
大好きだからずっとくっついていたい、そう思う。そう思うんだけど…急展開過ぎて付いて行けない。それに心臓が破裂しそう。
「…はあ」
「わっ!、、や…っ」
大倶利伽羅さんの溜め息が聞こえたと思ったら、急に体をコロンコロンと転がされ、大倶利伽羅さんに背中を向ける体勢になりそのまま引き寄せられた。
「これで…いいだろう」
そう言うと大倶利伽羅さんは私を後ろから抱き締めて背中にピッタリ密着する。
「…おやすみ」
「ひゃっ…っ!」
耳元で聞こえる大倶利伽羅さんのいつもより穏やかな甘い声。
「おやすみ、なさ…い」
背中に大倶利伽羅さんの温もりをこれでもかというくらい感じて暫く全然眠れなかったけど、会議と懇親会とで疲れていたのか思ったより身体は素直で…
――いつの間にか意識を手放していた。