刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第20章 通じ合う心
慌てて燭台切さんと別れて大倶利伽羅さんの後を追い、そのままエレベーターに向かった。
チラッと隣にいる大倶利伽羅さんを何度か見たけど、やっぱりちょっと不機嫌そう、な気がする。疲れちゃったのかな、トイレの時も沢山待たせちゃったし…
それからは黙ったまま俯いて歩いた。
12階に着きエレベーターを降りて長い廊下を歩き、カードキーで解錠し部屋に入る。大倶利伽羅さんはずっと黙ったままだったけど、ここにきて口を開いた。
「連絡するのか?」
「え?何をですか?」
「男に紙を渡されただろう」
「あ、あの審神者さんの事ですか?連絡なんて、しません…」
はっきりいって大倶利伽羅さんの事ばかり考えていたので、あの男の審神者さんの事はもう頭になかった。
「なら、これは必要ないな」
大倶利伽羅さんはそう言うと、私の手から紙を奪い、破って捨てた。
大倶利伽羅さんの意外な行動にびっくりしてしまう。
「…」
「…」
「え、えっと…大倶利伽羅さん」
「…」
「先に、シャワーどうぞ?」
何を話して言いかわからなくなり、突拍子もない事を口走ってしまった。
どうして大倶利伽羅さんは紙を破って捨てたの…?