刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第19章 懇親会
エレベーターに向かうと、他の男審神者さんと刀剣男士がすでにエレベーター前で待っていた。
それにしても…
この二人、人前なのにもの凄くベタベタしすぎじゃない?男同士だけど恋仲なのかしら?
それぞれの腰に手を回して、何やら耳打ちしながら楽しそうにしている。
疑問に思っていると、エレベーターの横のフロア見取図が目に入った。見るとこの階はすべてダブルルームになっていた。
必然とこの階にいる審神者さん達は恋仲ということになるわけだ。
なるほど、だからこんなにイチャイチャしているのか…羨ましくてまじまじと見てしまう自分が情けない。
「見過ぎだ…」
「…っ!」
大倶利伽羅さんが耳元で囁いてきた。
そのいい声に、ゾクッと体が粟立って途端に心臓がうるさく脈打つ。
羞恥で俯いていると、エレベーターが到着した音が鳴った。
エレベーターのドアが開くと、他の審神者さんが乗っていて、すでに懇親会会場のある20階のボタンが押されている。
この階から乗るって事は、はたから見れば私たちもそういう関係に見えるということだ。それはそれで恥ずかしいし、大倶利伽羅さんが何だか気の毒に感じた。
20階に到着して受付を済ませ会場に入ると、テーブルに番号が書かれたプレートが置いてある。
受付でもらった自分の番号のところに座るらしい。