刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第17章 ある日の出来事 3
執務室には何故か大倶利伽羅の上着だけをその身に包み、寝ている彼女の姿…
その様子に、長谷部は「何故俺のじゃないんですか!」と発狂し、鶴丸はニヤニヤしていて、大倶利伽羅はそっぽを向いているが、耳が赤い。
長谷部の声で目が覚めた彼女は、3振りの姿を見て慌てふためいた。すぐに上着を大倶利伽羅に返し、鶴丸と長谷部にも返した。
そして、二つの折り鶴と、本に気付く。
途端に笑顔になる彼女。
大倶利伽羅が盆のおやつを見せると、更に目を輝かせた。
盆の上にはいちご大福とお茶がそれぞれ二人分…
「大倶利伽羅さんも一緒に食べてくれるんですか?」
「あぁ」
「嬉しいです!」
「主!俺もここで食べますっ!」
そう言って長谷部は、持ち前の機動を活かし盆におやつを持ってすぐ戻ってきた。
盆の上には二人分…
「鶴丸、お前も食べるだろ」
「こりゃ驚いた。珍しいことも起こるもんだな」
「食べないのか」
「勿論いただくさ」
執務室に温かい時間が流れていた。