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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第17章 ある日の出来事 3


出陣が終わり、広間に行くと山姥切とあいつが並んで座って何かをしていた。
山姥切は相変わらず布を深く被ってじっとしている。
二人の距離間が近い。それがとても自然に見えて、目が離せなかった。山姥切はあいつの初期刀だ。どうしたって敵うわけがない…


「主が山姥切の布のほつれてる所を繕ってるみたいだぜ」

聞いてもいないのに国永が言う。いつからここに?

「…」

「そういや、伽羅の腰布も少し破れてなかったか?」


いつの間にか貞まで横にいる。
ニヤニヤしながら国永が、俺が頼んでやろう!とさっと腰布を奪い、あいつのところに駆け寄っていく。


「おいっ!」

「いーじゃん、いーじゃん、ついでにやってもらえよ」


貞が楽しそうだ。誰かこいつらのお節介をどうにかしてくれ。
あいつは国永から俺の腰布を受け取ったあと、俺の方を振り返り笑顔を向けた。


それだけで…


俺は、心が満たされていく。
俺はいつからこんな風になったんだろうな。

縫い終わったのか、あいつが山姥切にじゃれ始めた。布を引っ張ってはがそうとしているのか?
山姥切が頑なに布を取られまいと抑え込んでいる。それを何とかはがそうとあいつがむきになっている。

おい、危ないぞ…と思うも束の間、山姥切が力任せに引っ張りあいつがそれに負けて山姥切の方に倒れ込んだ。

重なる二人の姿…。


チッ

面白くない…


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