刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第16章 演練にて
「この本丸の誰かってことかい?アンタに想われてるなんて羨ましいねぇ!」
「贔屓してって思わないかな?」
「思うもんか!それに好きになった刀を他の刀より特別に思うのは当たり前のことだろ?だけど今だって想ってるやつがいるってのに、アンタはあからさまに贔屓してる訳でもなく、皆平等に扱ってくれてるじゃないか」
勿論戦術等、練度上げ、仕事の面で贔屓はしていないと自信はあったけど…それでいいのだろうか…
「アタシらはアンタの家族だろう?只でさえアンタは身内を亡くしてんだ…家族なら幸せを願うもんさ。それにアンタの想ってるやつが刀なら、こんな嬉しいことはないよ」
「次郎ちゃん…」
「あらあら泣かないどくれよ」
「ありがとっ、ずっと悩んでたの…好きになったらいけないんじゃないかって、皆に軽蔑されたらどうしようって…」
「何ばかなこと言ってんのさ、誰がそんな事思うもんか!幸せにおなりよ。アタシは応援するよっ」
…大倶利伽羅さんが好き。どうしようもないくらい。
好きでいていい、応援するって次郎ちゃんに言われて、叶わなくても、この気持ちを糧にして頑張れる、と思った…
その後、次郎ちゃんにその刀は誰なのさ?って散々聞かれたけど、なんとか誤魔化して皆のお土産を買って本丸に戻った。