刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第15章 大切な家族
一人娘だった私を大切に、愛情を持って育ててくれた。父と母の元に産まれて、とても幸せだった。
でも、もう二度と会えなくなってしまった…
涙が止まらなくて、声にならない叫び声をあげた。
ずっとずっと泣いていた。
私が自室にこもって出てこないのを、皆が心配していた。
国広くんと光忠が何度も部屋に様子を見にきてくれたけど、両親が亡くなったことと政府からの指示通り、本丸を一週間休日にするから落ち着くまで一人にしてほしい、とだけ伝えた。
国広くんは黙っていたが悲痛な表情を浮かべていた。光忠は私を優しく抱き締め、何も言わずに部屋から出て行った。
光忠が部屋の前に置いていってくれる食事もほとんど喉を通らなかった。
今すぐに現世に行って、車を飛ばして家に帰りたい…誰もいないとわかってても生まれ育った家に行きたい…
でもそれも許されない。行き場のない思いが体中をドロドロと支配していく…
最初の3日間は、精神が崩壊している影響か、霊力も乱れ本丸の結界もかなり不安定になっていた。そしてそれに比例してるかの如く、本丸の天気は雷が鳴りそれは酷い嵐が続いていた。