刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第14章 それぞれの想い
あれから足は完治して、すっかりいつも通りの日常に戻っていた。
私はといえば、大倶利伽羅さんを好きと自覚してから、彼への想いは強くなるばかりで…
日に日に強くなる彼への想いに、私は一人悩んでいた。
出陣や遠征に送り出す時も切なくて、心配で、不安で。彼を好きになる前も勿論、心配や不安は付き物だったけど、それ以上に胸が締め付けられて…
この気持ちが大倶利伽羅さんや皆にばれないように取り繕ってる毎日を送っていた。
私はこの本丸の主だ。皆が主、主と慕ってくれる中で、一振りだけを特別に好きになってしまった。
その事を他の皆に知れたらどうなる事だろう。大倶利伽羅さんだけを特別扱いしていると思われないだろうか。
戦争中なのに、恋にうつつを抜かして、これだから女は、と思われたりしないだろうか。
そればかりか私が特別な想いを抱いている事を大倶利伽羅さんが知って、嫌がられたりした日には…
そんな中で一つ屋根の下でずっと暮らしていかなければいけないなんて、あまりにも辛すぎる。