刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第3章 勝手な行動
あんな酷い事を言うくせに…
勝手な事するくせに…
彼の声と涙を拭ってくれる手があまりに優しくて…
どうして?
と思う反面、段々腹がたってきて、気が付けば心の内を夢中で叫んでた。
「あなたの勝手な行動で長谷部まで、仲間まで危険にさらした!私はっ!皆大事だから誰も折れて欲しくないし、無茶しないで欲しいって散々言ってきた!なのにっなのにっ!なぜ?って、あなたがそれを聞くの?自分の胸に聞いてみなさいよっっ!!」
「…」
「あなたが…皆が…大切…なん、です…」
泣きながらそのまま手入れ部屋を後にした。
途中で光忠とすれ違い、主ちゃん?なんで泣いてって心配そうな声が聞こえたが、それに答える余裕もなくそのまま自室まで逃げ込んだ。
やってしまった!感情的になってぶちまけるように彼に言い放ってしまった。幸い手入れは終わっていたから良かったものの…
もう絶対嫌われたし終わった…これから一体大倶利伽羅さんにどう接すればいいのだろう…一人部屋に籠もりうなだれていた。
「主?」
この声は、国広くんだ。遠慮がちにノックしている様子から心配して来てくれたんだと分かった。急ぎ涙を拭い平静を装って返事をすると、彼はそっと部屋に入ってきて目を見開いた。
あぁ…泣いていたことがばれてしまった…
「っ、どうしたんだ!?泣いていたのかっ」
「く、国広くん。どうしよう…私…」
観念して事の経緯を話すと、あんたは間違ったことはしていないと頭を撫でられた。優しい言葉に我慢していた涙が溢れだす。
審神者になってから初めて人前で気が済むまで泣いた。国広くんはいつも被っている白い布でぎこちないながらも優しい手つきで涙を拭ってくれた。