• テキストサイズ

刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第50章 甘い夜


その不器用な優しさに胸が熱くなって、気づけばまた笑ってしまう。

それからも、あのときのこと、このときのこと――
ふたりで少しずつ綴ってきたたくさんの場面を、ゆっくり丁寧に思い出していった。

話しながら気づく。
こんなにも思い出が増えていたんだ、と。

お猪口の中身がまた少し減って、テーブルの上に置かれた徳利は、さっきよりもずいぶん軽くなっていた。


「…随分、飲んだな」


大倶利伽羅さんがぽつりと呟いた声に、ようやく私は時間の流れを思い出した。
少し騒がしく聞こえた本丸の空気もどこか静まり返っている。


「…もうやめておくか」

「うん…美味しくてついつい沢山飲んじゃった……あとは……伽羅ちゃんとくっついていたい…」


そう言うと、まるで待ちきれなかったみたいに腕を伸ばし私を抱き寄せる。嬉しくて彼の背中に手を回しぎゅっと抱き締め、大好きな彼の温もりに包まれた途端、何故だが急に不安が押し寄せ泣きたくなった。


「伽羅ちゃん…ずっと一緒にいてね…」

「突然どうした」

「…急に怖くなっちゃった」

「…」

「――伽羅ちゃんがいなくなっちゃったら、私…」


生きていけない…そう言いかけた時、ふと、彼の指が私の頬に触れた。


/ 1365ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp