刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
「……いつか胸を張って、皆さんにお菓子を届けられるように頑張ります」
最後にもう一度深く頭を下げると、一瞬――広間が静まり返った。次の瞬間だった。ぱちん、と誰かが手を叩く音が響く。それを合図にしたように、ぱち、ぱち、と拍手が重なり、やがて広間一杯に温かな音が広がっていった。
「よく言ったな」
「大丈夫だ、応援してる」
短刀たちは元気よく声を上げ、打刀や太刀たちは穏やかに頷きながら手を叩く。
「万屋街の菓子屋か。行列ができそうだな」
「その時は、俺たちが宣伝してやろう」
そんな冗談めいた声に空気が一層和らいだ。シーちゃんは驚いたように目を見開き、次第にその瞳が潤んでいく。
「……あ、ありがとうございます……」
声が震え、言葉にならないまま何度も何度も頭を下げる。
「泣くな泣くな〜!」
「泣くと塩味のお菓子になっちまうぞ!」
誰かの軽口に笑いが起き、それがさらに拍手を大きくする。私はその光景を胸がいっぱいになりながら見つめていた。
――失ったものは確かに戻らない。けれど、こうして手を差し伸べてくれる人たちが必ずいる。
「良かったね…伽羅ちゃん…」
隣にいる大倶利伽羅さんを見ると、腕を組んだままいつもの不機嫌そうな顔で広間を見渡していた。そしてボソリと呟く。