刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
それ以来、誰も言葉を発しなかった。ただ、沈黙の中で刀剣達の決意が確かに火を灯していた。
その翌日、早速大倶利伽羅の元に審神者が訪ねてきた。彼女の誘いに大倶利伽羅は苦渋の選択をすることになる……
審神者を騙すのはあくまで本体を見つけられなかった時。その為、最初に決行されたのは女を酔わせて本体の場所を上手に吐かせる作戦だった。
…
広間には、湯気の立つ徳利と肴の香ばしい匂いが漂っている。
目的は一つ。――あの女から、包丁の本体の所在を探り出すこと。
「おう、飲め飲め。遠慮すんな!」
日本号の陽気な声に、女が柔らかく笑っている。
「相変わらず皆お強いですね。今日こそは皆さんが酔い潰れる姿を見せてもらいますからね!」
その言葉通り盃を傾けるその手つきは、まったく乱れはなくしっかりとしている。もう大分飲んでいるというのに…
「こんな上等な酒、そうそう飲めねぇからな。どうだ?この盃、前に骨董市で買った代物だが今日初めて使ってんだ」
長曽祢がくつくつと笑い、肴をつまみながら骨董市の話題をさり気なく出す。すると女の眉が、わずかに動いた。
「骨董市ですかぁ…前に歌仙様と審神者様と一緒に行きました。長曽祢さんもそういう趣味があるとは知りませんでした。それなら一緒に行けばよかったですね!」