刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
「主が“大倶利伽羅を失った”と感じた時、流石の主も霊力が不安定になり心に隙が生まれる。包丁はその隙を逃さないだろう。――それを逆手に取る」
青江は真っ直ぐに言い切った。
「あいつが悲しんでいるのを黙って見ていられるほど、俺は薄情ではない」
「主を守れるのは君だけだろう?包丁が主を狙えば、必ず君が立ちはだかる。そうなるように仕向けるんだ。それしかないんだよ」
長い沈黙が流れた。
誰も息をすることさえ忘れるほどの、重い空気。
そんな中小夜が不安げにボソリと呟く。「……そんなの、主が可哀想すぎる」それを聞いて今度は薬研が真剣な表情で答えた。
「でも、主を守れる方法がそれしかないなら仕方ねぇな。刀は主を守るためにある。ここは黙って大倶利伽羅の旦那に任せよう」
「だからって大倶利伽羅に芝居なんて無理だって!すぐ顔に出るんだから」
「でも他に策ないじゃん」
「俺が代わりに、とか…?」
「お前が代わりになっても主の心は何も動かないでしょ」
「はぁ?喧嘩売ってんなら買ってやるけど?」
加州と大和守が言い争いを始めた。
平素から仲の良い二人は、こういう時は一歩も譲らなくなり、一度揉め始めると周囲が止めても聞き入れないことが多い。