刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
「…まだ痛むか」
大倶利伽羅さんが私の顔を再度覗き込む。あまりにも近すぎて、堪らず顔を背けた。話をしなければならないのに、余りの突然の状況にどう切り出したらいいのかわからなくなり混乱する。
嫌だと言えば、この腕の中から逃げることは容易なのかもしれないけど、どうしても離れたくなかった。
「すまなかった…」
そう聴こえた次の瞬間、背中に回された腕が、優しく、けれど確かな力で私を包み込む。胸の奥がきゅうと鳴るような温もりに、涙が止まらない。
彼の胸の奥に頬を寄せると、トクン、トクン、と規則正しい鼓動が伝わってくる。
その鼓動を聞いているうちに、自身の呼吸も少しずつ整っていった。そして…
…――この音を……シーちゃんも知っているとしたら……と心がざわつく。
気づけば、口の中で小さく言葉を転がしていた。
「な、んで……謝るの……?シーちゃんとシたから?シーちゃんが好きだって、それを言いに来たの……?」
「…違う」
「何が違うの?キスしてたくせに…髪飾りも、…プレゼントしたくせにっ」
「していない」
「うそ……っだって見た……!」
「あれは…あの女の顔を掴み上げていたから、触れてはいない」