刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第14章 それぞれの想い
これを人間で言う恋慕という感情だと気付いた時、俺はこいつを抱き締めていた。
そうか、俺はこいつに懸想していたのか…
今までこれが何の感情なのかよくわからなかったが…それがわかるとストンと有るべき場所に収まったような気がした。
甘い香りが鼻腔をくすぐる。
腕の中のこいつが愛しくて…思わず抱き締める力が強くなった。
「痛っ!」
慌てて手を離した。強く抱き締めすぎたのか?それとも…
「怪我しているのか?」
「え、えっと…」
「痛いとこがあるならちゃんと言え」
「あ、あの、落ちたときに背中と腰を打ったみたいで…」
「他は?どこか痛むか?」
「他は今のところは、大丈夫です…」
服をめくって背中を見ると、青くなっていて血が滲んでいた。
くそッ!あんな深い穴に落ちたんだ、怪我をして当然じゃないか。近侍として側にいたのに、こいつを守ることもできずに何をやってるんだ俺は…