刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
部屋を出た途端堪えていた涙が溢れ出る。零れ落ちる涙を指先で拭いながらも、祈祷部屋に入る前とは違い、私の心はもう決まっていた。
彼女が私に対して変わらない酷い態度なら、その時は正直にこんのすけにも立川さんにも全てを話そう。
仕方がないけど彼女をこの本丸に置いておくわけにはいかない。万が一この本丸の評価が落ちたとしても…また挽回すればいい……!
涙で揺れる視界の中、私はシーちゃんをもう一度探した。
中庭沿いの縁側を通り過ぎようとしたところに、揺れる洗濯物と共にふっと黒い人影が目に入る。
それは、歌仙が洗った洗濯物を干しているシーちゃんだった。歌仙は残りの洗濯物をまだ洗っているのか傍にはいないようで、シーちゃんがだた一人干していた。
他の刀剣も見当たらない事に安堵し、シーちゃんにそっと近付いていくと…
「大倶利伽羅さま……」
彼女が大倶利伽羅さんのものであろう服を抱きしめて、彼の名を愛おしそうに呟いていた。
「大倶利伽羅…………伽羅…………伽羅ちゃん…もうすぐだね……もうすぐで私だけの……」
見ていられなかった。
彼は、大倶利伽羅さんは、私の大事な刀であり、同時に私の大事な人!!
「シーちゃん、何してるの!?」
私が声を掛けると、彼女の視線がこちらに向けられた。