刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
その後執務室に戻ったはいいけど、シーちゃんのあの表情が頭から離れず仕事も手に付かない。
…大倶利伽羅さんずっとシーちゃんに付き添ってるのかな。まさか私が足を捻挫した時みたいに付きっきりとか…?それは…いくら何でもシーちゃんが相手でも嫌だ…
「日向くん……本当にごめんなんだけど……ちょっと気分転換してくるね…それで…急ぎの仕事もないことだし今日はもう終わりにしようと思うんだけど…」
「わかったよ!主がそう言うなら僕は他の人の手伝いでもしようかな」
「急にごめんね、そうしてあげて。お疲れ様でした。また明日も宜しくね!」
「うん。わかった。じゃ、また明日ね」
そう言って椅子からヒョイッと下りて軽く伸びをしたあと、素直に執務室を後にする日向くんを見送って、私は医務室に向かった。どうしてもあの二人が気になって仕方がないから…
「薬研くん、いる??」
「ん?大将どうした?」
そっと医務室のドアを開けて顔を覗かせると、そこにはもう大倶利伽羅さんもシーちゃんの姿も見えなかった。
「ごめんね突然。シーちゃんの怪我、大丈夫だったのかなって気になっちゃって…」
「あぁ、それか」