刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第47章 一人の少女
ニコっと笑う乱ちゃんに、何故かわからないけど言いようのない胸騒ぎがする私は、愛想笑いを浮かべる事しか出来なかった。
不安になることなんて全然ないと思う、乱ちゃんにそう言われたものの…
自然とシーちゃんと大倶利伽羅さんが近くにいる時に目で追ってしまう。
シーちゃんの方から大倶利伽羅さんに近付いているように見えるのはきっと気のせいなんかじゃない…でも相手はあの大倶利伽羅さんだ、簡単にほいほい懐くような人ではない。
大倶利伽羅さんの事を信じているし、彼に対して一つも疑うことなんてない。
それなのに…そんな光景を見るたびに胸がざわざわして不安が募る。そしてその後は必ず自己嫌悪に陥って…情けなくなる。……正直こんな醜い自分が嫌だった。
…
…
そんなある日の午後
「ひょっとして…審神者様って…大倶利伽羅様と恋仲なんですか?」
「えっ…!!」
簡単な書類整理を手伝ってもらっている時に聞こえた急な質問に吃驚し、思わず手に持っていた書類までも落としてしまう始末。バサバサと音を立てながら足元に広がっていくA4用紙を急いで広い集めながら、心臓は面白いくらいに脈打っている。まさかそんなことを聞かれるなんて思いもしなかった。