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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第46章 政府の監査


その頃はまだマニュアルもなく政府側も手探り状態だった。政府職員が1日調査に赴き、そこで問題ないと判断した場合は日数関係なく調査を終えていた。

勿論問題があると判断が下された場合は、職員の納得がいくまで調べる権限が与えられていたが、職員も人である。良く調べもせず適当な判断を下す者もいれば、気付いていながら面倒だ、と見て見ぬふりをした者も中にはいた。


当時まだ新米だった立川も、熟練の職員に付いてとある本丸の調査に赴いていた。

だが、後に熟練職員と共に3日滞在し問題ないと判断を下した本丸が、まさに刀剣男士に虐待を繰り返していたブラック本丸だったということが判明する。熟練職員が調査に手を抜いたわけではない、むしろ事細かく調べた結果だった。

その本丸は実に巧妙にその事実を隠していた。
政府の監査をまんまとすり抜けたその本丸は、やがて崩壊の一途をたどった。

3日間という短い期間とはいえ刀剣と生活を共にした。立川の前で見せていたあの刀剣の笑顔も、審神者が刀剣を大事にしている素振りも全て偽りだったと知ったときは、絶望した。

何より、その笑顔の裏で必死に助けを求めていたであろう刀剣達に、救いの手を差し伸べられなかったことが、助けられたのに助けられなかったことが、今でも悔やんでも悔やみきれないのだ。


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