刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第46章 政府の監査
「……人柄、か。そうだな、主はとても聡明なお方だ。相手の気持ち、立場を常に考え、自分のことのように俺達も大切にしてくれる。そんな主だからこそ連中も主を慕っている。勿論俺もこれ以上ないくらいに主が大切だ。主のためなら例え火の中水の中であろうと!どんなことでもやり遂げる自信がある!そして主は………!!」
最初こそ静かに審神者の人柄を答えていた長谷部だったが、説明するうちに熱くなり、段々と前のめりになり握り拳を作りながら力説し始める。
口がとまらない長谷部を年配は「もう良い」と遮った。
そんな年配に、まだまだこれからだ!1割も話していないぞ!と長谷部は更に身を乗り出し言葉を続けようとしたが、呆れた年配は、「十分伝わった」とだけ言い残し、次のターゲットへと足を運ばせたのだった。
この聞き取り調査、特に順番は決めていない。
予め順番を決めてしまうと作戦を立てられてしまうことがある故、わざとランダムで行っている。
誰でもいい。
次に出くわした刀剣と話をしよう。そう思いながら廊下を歩いていると、縁側に寝転がっている御手杵が年配の視界に入る。
後ろから付いてきた新米も目に入ったようで、小さくあ、という声が聞こえた。
「おいお前、ちょっといいか?」
「あん?丁度ウトウトしてたんだけどな~」