刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第43章 ある日の出来事 5
「そ、そういう理由なら……、大倶利伽羅さん…?いいかな??」
「…」
「大倶利伽羅さん??」
「……はあ……少しだけだぞ……一瞬だ」
げんなりしながらも了承してくれる大倶利伽羅さん。そういうところがやっぱり優しい。そんな大倶利伽羅さんの言葉に短刀ちゃんは目をキラキラさせて嬉しさを全身で表している。
「やった!」
「僕嬉しいです!」
「伽羅坊、眉間のしわが凄いことになっているぞ」
「うるさい、黙れ」
私の前に嬉しそうに一列に並び出す皆。
大倶利伽羅さんをからかいながらもちゃっかり一番後ろに並んでいる鶴丸…
成り行きで頬にちゅうすることになってしまってなんだか照れ臭いけど、一番前に並んでいる五虎ちゃんがなんとも嬉しそうにそわそわしているのが可愛くて堪らなくて、釣られて私も頬を緩ませてしまった。
「じゃ、五虎ちゃんから…いくよ?」
「お願いします!」
「し、失礼します…」
ちゅ
唇が柔らかいすべすべの頬に触れた瞬間に、「ご武運を」と願いを込めて出来る限りの霊力を送り込む。すると五虎ちゃんはパアッと花が咲いたように顔を綻ばせた。