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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第43章 ある日の出来事 5


いつからかは覚えていないけど、大倶利伽羅さんの出陣前と出陣後には必ずあることをするのが日課になっている。

それは…


「行ってらっしゃい」

「行ってくる」


 ちゅ


「無理だけはしないでね…」

「あぁ、わかっている」


 ちゅ


そう…行ってらっしゃいとお帰りなさいのちゅうだ。たまたま皆がいないときにお帰りなさいって私からちゅうをしたのがきっかけだった。

それからはそういう雰囲気だったから…とか、大倶利伽羅さんからしてくれたり、強請られたり。

もしかしたら皆を送り出す時の、私の不安な心を落ち着かせるといった大倶利伽羅さんなりの優しさなのかも知れない。気付けば嬉しいことに口付けるのが日課になっていた。


そして今日も物陰に隠れてこっそりしていたら…


「あー!またやってる。大倶利伽羅ばっかりずるい!もう我慢出来ない!俺にもやってよ主っ」


ひょっこり顔を覗かせてずるいずるいと悔しそうにする加州くん。
出陣前のピリピリする雰囲気の中、ほんの少しの甘い一時が一瞬にして凍り付く。


「かっ加州くん!?」


またやってるって…?誰にも知られていないと思っていたのに、そう思っていたのは私だけだった…?


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