ボーダー最強が暗殺教室に通うことになったみたいで。
第5章 椚ヶ丘中学三年E組 通称ー暗殺教室ーでの任務開始
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水色髪の少年…潮田渚の呼びかけ。
その声によって走り出した二人。
赤髪の少年…赤羽業はフードの少女…佐々原優希の間合いに入ろうとする。
しかし佐々原優希は宙に浮くように跳躍した。それは速すぎて、消えたようにも見えた。
彼女はそのまま、赤羽業にかかと落としを放つ。しかし、間一髪で避けられる。
「チッ」
舌打ちをしながらも殴り掛かる。当たったり避けられたりしている。
しかし、彼女の攻撃はわざと「外している」ようにも見えた。
赤羽業も殴り掛かる。怒りをぶつけるように彼女に数発当てたものの、捌かれていることが多い。
見学していた皆は喧嘩に強い赤羽業が当然勝つものだと思っていた。
しかし彼女は赤羽業と同等、いやそれ以上に強かった。…ある時までは。
いきなり彼女は赤羽業から距離を取った。
「いや~。あんたが初めてだよ。僕の仲間以外にここまでやり合える奴は。いくら僕が弱っているとはいえ、僕をここまで追い詰めたこと誇っていいと思うよ」
彼女はそう言った。
フードでぎりぎり隠れない口元は、少し上がっているようにも思えた。
そして目をつぶって…。
倒れた。いや、ぶっ倒れて寝た。
「!!??」
そりゃあ驚くだろう。先程まで啖呵を切り、タイマン張っていた人間が。
そこまで攻撃を食らっていなかった人間がいきなり倒れたと思ったら寝ているのだから。
ちなみに倒れた時、一番最初に駆け寄ったのは赤羽業だった。
流石に気絶させる気はなかったのだろう。
頭を地面につかせ、謝罪させようとしたのだろう。昨日、今日と続いた自分たちを馬鹿にするような、見下すような態度について。
そのため結構慌てて駆け寄った赤羽業だったが、そこにいたのは「太刀川さんマジでボコボコにしたる…」と物騒な寝言を呟いていた佐々原優希だった。
それを見た赤羽業は呆れたように「寝てる…」と呟いた。
そりゃあそうだろう。
いきなり倒れたと思ったら寝ているのだから。呆れるのも当たり前だ。
その後、何故か彼女を運んだ(正確に言えば「運んで置いてくれ」と頼まれた)赤羽業だったが、その時「男にしては線が細いような…」と彼女の性別に違和感を感じていたのは言うまでもない。