ボーダー最強が暗殺教室に通うことになったみたいで。
第5章 椚ヶ丘中学三年E組 通称ー暗殺教室ーでの任務開始
「ルールは簡単。頭が地面につく、もしくは気絶で負け。ギブアップもあり。水色髪には審判としてこの勝負を見ていてほしい」
体育の時間。烏間先生に隠れてタイマンしようと思ったらバレた。でも特に何も言われなかったからよかった。…と思ったら今日の授業は僕たちの試合観戦になった。烏間先生は何を思ってるんだろう?なんかすごい納得した、というような顔をしていた。
あとタコがニヤニヤしてる。イラつくからやめてほしい。
実は、烏間先生とタコがそれぞれ「佐々原さんの技術から、彼らが得られるものも多いだろう…。その技術を暗殺に生かせば…」「どんな経緯であれ「慣れ合う気がない」といっていた優希君が誰かと関わるとは…!これがきっかけになってみんなと関わってくれるかもしれません…!」と思っていることを僕は知らない。てか納得した顔じゃなくて、企んでいる顔だったか…。
「そういえばさぁ」
と赤髪が話しかけてくる。
「もし、俺じゃなくて渚君が昨日止めていたら。それでもこんなことしたの、優希君?」
は?渚って誰だ?あ、あの水色髪か。「な、なんで僕!?」って言ってるし。
「あいつだったらここまではしてない。お前が『喧嘩慣れしている』ことを知っているから、分かったからタイマン張った」
そう問いの答えを言うと、目を見開く生徒たち。まあ、「なんで知ってんだ、こいつ?」って思ってるんだろう。
「他のやつらだったらタイマン張ろう、なんて思わなかったし、殴りかかってきたら軽くあしらって終わっていた。女子だったら、なおさらな。僕は女子や弱いものを叩きのめして満足する性格でもないし、それで勝つほど心腐ってはいない」
…まあ、桐ちゃんや藍たち、ボーダー隊員は別だけど。あの子たちは別でしょ。
「なんで俺が喧嘩強いこと、知ってんの?」
ほら来た。
「調べたからに決まってんじゃん」
嘘。サイドエフェクトでわかった、なんて言えないから。迅さんみたいに言うわけにはいかないんだよ。
怪訝そうな顔をしている赤髪を無視。水色髪にこう告げる。
「そろそろ、いいか?僕も、多分赤髪も準備はできた。早くボコりたいくらいなんだけど」
あ、うん。という水色髪の声を聴いて、深呼吸をする。
「そ、それじゃあ。よーい、スタート…!」
よし、いっちょ始めるか。