ボーダー最強が暗殺教室に通うことになったみたいで。
第5章 椚ヶ丘中学三年E組 通称ー暗殺教室ーでの任務開始
「ねえ優希君、スマホ鳴ってるよ」
隣の席の赤髪の言葉で目が覚める。…音楽が聞こえる。私の好きなロックアーティスト・入夏月華さんの曲だ。
私のスマホの着信音。誰かが電話してきているんだろう。ったく誰だよ、眠りを妨害しやがったやつ。
「その曲、確か入夏月華って人の曲だよね?好きなんだ~」
そうだけど、なんか悪いか?心の中でそう毒を吐き、眠りを邪魔した犯人からの電話に出る。
「いま寝てたんだけど。何の用?…太刀川さん」
「いや、お前今何時だと思ってんの?」
何時って…。時計をちらりと見て答える。
「大体一時。それがどうした?」
そう僕が答えた瞬間。ため息をつく太刀川さん。え、僕なんかした?
「お前、今日一時から俺たちと任務だぞ。そんで今の時間は五十五分。何が言いたいか分かるか?」
血の気が引く。ヤバイ。遅れたら始末書だ!
「ちょ、ヤバい!どうしよう!」
「ベイルアウトしたらいいだろ。…って、ベイルアウトしたら玉狛行っちゃうか」
大体…とため息をつきながら珍しく小言を言う太刀川さんの声を無視して「じゃあまた後で!」と通話を切る。
三十秒で支度を終えた僕は、そのまま扉を開けようとした。
「…赤髪、邪魔なんだけど。さっさと退け」
「優希君どこ行くの?転校初日でもう帰るとか普通じゃありえないよね~」
どこ行くのか教えてくれたら退けるからさ、と赤髪は言う。やばい時間もうない!!こいつのせいだ。こいつさえいなきゃ絶対間に合ったのに!もう絶対無理じゃん。(いなくても間に合いません)
これ以上遅れたらどうなるか…。太刀川さんと玉バカいずみん先輩のことだから、「一分遅れたらレポート(課題)一枚やってもらう」なんてこと言いだしそう。
こいつ(赤髪)をかまっている時間はない。
僕は走って窓を開け、そこから飛び降りた。校舎の方が騒がしいけど、仕方がない。見向きもせずに裏山の人目が付かないところまで走っていき、小声で叫んだ。
「トリガーオン!ベイルアウト!」
そして玉狛についてからすぐに換装し、任務場所まで走って向かった。
雷神丸が少し驚いていたからあとでなんかあげよう。