【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】To my darling
第2章 Happy moment in holy night.
閉店後の、照明の明るさを落とした少し薄暗い店内で、リアは窓を拭いていた。
バイト先であるこのお店は、大通りに面している人気カフェだ。
大学や住んでるところに近いし、時給もかなりいいし、働いている人たちもいい人ばかりで、本当に最高の職場だとリアは思う。
学生ということで、閉店後の片付けなどの時間は帰っても良いといわれているが、綺麗好きなリアはいつもわりと遅くまで掃除をしていた。
指紋一つない、ピカピカに磨き上げた窓ガラスに反射して店内の煌びやかな装飾が目に入る。
…そう、クリスマスが3日後に迫っていた。
クリスマスが平日だと特に、直前の週末は大忙しだ。
勿論週末に限らず1週間ほどはずっと忙しい。
今年もその例にもれず、今日一日は休む暇もなかった。
リアはピアノが弾けるため、BGMとして弾くこともある。勿論楽しいから弾いているのだが、それによって元より少ない休憩時間がさらに減ってしまうのは少し大変だ。
しかし大学入学と同時にこのバイトを始めて、今年でもう4年目になるリアはその忙しさにも慣れっこになった。
それにクリスマスはリアの楽しみがあるため、そのためにも頑張れた。
「ふぅ、」
窓ガラスを拭き終わって一息つく。
様々な年代が幅広く利用するこのおしゃれなカフェは、カフェと言ってもいいのかわからないくらい規模が大きい。
窓の掃除一つとっても、わりと重労働なのだった。