• テキストサイズ

イケメン戦国友の会コミュ出張所✨短編集✨

第4章 甘い甘い金平糖




「おい、そこのお前、こんなところで何をしている」
厨には作業をした形跡があり、その奥に人影を見つけた政宗は臆することなく声をかける。それが誰なのか薄々気付いていたからだ。するとその影は政宗の想像よりも体は大きく、誰かではなかった。……けれどもどこかで見たことのあるそれは、
「何だ、てめーは」
影は振り返りざまそう言い放ち、明り取りの窓から注ぐ光に照らされてギラリと目を光らせた。

「何だ、って。 おまえ…」
「お前は俺。俺はお前。」
「誰だ、お前。何で俺にそっくりなんだ」
すると政宗にそっくりな誰かは、
「政宗を驚かせることができたなら、変わり身の金平糖は完成だぁ」
そういって政宗の前にいる政宗は、女子のように笑った。

「変わり身?」
「これを食べて、最初に見た人に変身できるの」
「その話し方、まさか……お前か」
「せいかーぃ!」
すると袂からコロリと何かがこぼれたのを、
「なんか落ちたぞ」
政宗が拾い上げる。それを見てもう一人の政宗は、

「あ、袋に穴空いてる!金平糖どこかに落としたかもっ」
マジまずいんだけど!と厨を出て行くのを政宗も追いかけた。

***

同じ頃、甘い何かをかじった蟻は互いに顔を合わせて目をぱちくりさせていた。

「お前さ」
「お前も」

「何だよ、その猫っ毛。猫みたいに足で押さえて俺を虐げるんだろ」
「お前こそ、何で目が紫色なんだよ。麗しすぎるだろ」

「…………俺ら、人になったな」

/ 33ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp