第7章 スキンシップと、年下と指先と
「ま!だから君が家を出る必要はないでしょ」
『…いえ、まぁお金どうこういう話よりもですね、私 自立したいんですよ。
この世界で生きていくにあたって、ずっと二人におんぶに抱っこじゃいけない…』
「えー、さっき君は 俺と一緒に生きていきたい!って言って
くれたじゃない…」
私は恥ずかしさのあまり体温が上昇するような感覚に苛まれた。
「おいカカシ、話をお前の都合の良いように捏造するな…。たしかこいつは、
二人と一緒に、この世界で生きていきたい。って言ってただろ」俺を勝手に消すな
あぁ、サスケが私の言いたかった事を全て代弁してくれた。
私はこくこくと頷いた。
「なーんだ、残念…。君の事は、俺が養ってあげようと思ったのに」
『あ、私いま文無しなので、すみませんがまだしばらくは、面倒お掛けします…
よろしくお願いします』もう少し養って下さい
「……」少しくらい照れてくれても…
「仕事って、何をするつもりなんだ?」
と、サスケ。
『まだそこまでは考えてないけど、この世界の人って 全員が全員忍ってわけじゃないんだよね?』
もちろんだ。とサスケが首を縦に振る。
カカシは机に肘をつき、手の平の上に顔を乗せていた。
『よかった。私に忍は現実的じゃないから…
普通の人がやってるような仕事を見つける事にするよ。
とにかく…一日中家の近くに見張りを立てて、私を閉じ込めておく必要はない。という事は分かって頂きたかったんです。はたけさん』
私の言葉に、カカシの乗せていた顔がガクッっと手からずり落ちる。
「エリ!君、気付いて…」
この狼狽っぷり…半信半疑だったのだが、どうやら確定である。
まさか本当に、自分が不在時には常に私を見張る人物をつけていたとは…。