第6章 これからの事と、大人と子供と
「確認しておきたい事がいくつかあるんだけど…」
再び私達三人は、膝を突き合わせて話し合いを再開した。
『はい』
「さっき言ってた、
この世界で生きていきたい。って、本気?」
カカシが、私を見据えて言う。
私も彼の視線から逃げないで答える。
『本気です。
元の世界に戻りたいとは全く思いません。
私が生きていたいと思えたのは…この世界だからです』
「…そっか。まぁエリにもし、元の世界に帰りたいって気持ちがあるなら、そう出来るよう協力しようとは思ってたんだけどね」
「カカシ、アンタはこいつを元の世界に戻したいのか?俺は全くの逆意見だ。
そんな世界に、エリを帰したくない。
帰っても辛い思いをするなら、ずっとここにいればいい」
カカシを睨みあげるサスケ。
なんだろう。私を差し置いて二人がなにやら険悪な雰囲気だ。
「サスケ、そうは言っても俺たちの気持ちなんて今は関係ないだろ。
向こうにはエリの両親もいるんだ。こっちで人生を全うするということは、もう二度と両親にも会う事は出来ない。
だから、俺たちが口を挟んでいい問題じゃあないんだよ」
「…っチ。アンタさっきの話聞いてなかったのか。
こいつの両親は、エリにきちんと向き合うどころか。自分達の保身だけに走った。
そんな奴らとまた過ごす為に帰るわけないだろ」
「だからー、それを決めるのは俺たちじゃないの」
『あ、あの…私、本当に大丈夫なんです。
自分でも驚くくらい、向こうに未練がなくて。これが大丈夫って、なんだか悲しいんですが。
友達にも、事件をきっかけに距離を置かれるようになりましたし。
彼氏にも振られましたし、あと両親にも…会いたいとは思えないんです』