第38章 ファン1000名様突破記念 読み切り
「あ、サスケ…まだ起きてたの。そうか、今日は任務遅い日だっけ」
「あぁ」
家へ帰り着くと、もうとっくに就寝したと思っていたサスケがいた。ちょうど任務から帰宅したところらしい。
「それはお疲れ様」
「飲んできたのか」
「うん。ちょっとアスマ達とな」
まだピチピチの十代であるサスケを、なんともなしにじーっと見つめる。
そしてふと思う。俺…コイツくらいの歳の頃は何をしていたっけ、なんて。
「…なんだ、人の顔をそんなふうに見て」
思い起こしてみても、大して今と変わっていないという結論に至った。仕事は今と変わらず任務を数多くこなし。
女性関係で言えば とうに童貞は切っていたし、当時も来るものは拒まずだった気がする。
それに、自分で言うのもなんだが当時から引く手は数多だった。
忍術学校卒業も中忍昇格も、上忍昇格に至るまで最年少記録を持つ俺は、多分それなりに目立っていたのだろう。
もしかすると…俺がこんなふうになってしまったのは、幼い頃からモテ過ぎたせいかもしれない。
「はぁ…サスケは、本気の恋愛なんて若い内に済ましとくんだよ。ちょっと女の子からモテるからって、調子に乗るな。
じゃないと、俺みたいになっちゃうからね」
「……おい。酔ってるのか。そして喧嘩を売るつもりなら買うぞ」
「親切心なのに」
残念ながら、俺の心からの言葉は彼には届かなかったらしい。
「酔ったとき管を巻く女がいないからって、俺に絡むのはやめろ。気色が悪い」
「酷い…ちょっとは優しくして」