第35章 カラフルと世界と、出会いと結びと
私達は同時に目を開けて、キスの余韻を感じていた。
やがて、カカシは私の体を持ち上げると枕の上に頭を乗せ、ゆっくりと降ろしてくれる。
「今日は、どんな一日だったのかな」
優しく額にキスをしながら、カカシが私に問う。
『ふふ、…今日は…なんだか、たくさん人に会う不思議な日でした』
ちゅ、と音を立てて頬にもキスを落とす。
「君の顔を見て分かったんだよ。今日は、とても良い日だったんだろうなって」
『はい…嬉しい、日でした』
この世界に来て、たくさんの大切な出会いがあった。そのたくさんの大切な人達と、素敵な縁を築く事が出来たのも、カカシの存在が非常に大きい。
私の手を取り、甲に唇を落とす。
「…そっか。なら、俺も嬉しい」
私に生きる意味をくれた、はたけカカシ。
死んだように生きる私に、色をくれたのは、彼。
確実に、私の世界をぐるりと変えたのだ。
白と黒の世界から、色とりどりの
カラフルな世界に!
『…はたけさん、ありがとうございます』
「こちらこそ、ありがとう。
君のおかげで…俺の世界は、確実に変わった。
生きていて良かったって、思ったんだ。
俺は、君に会う為に今まで生きていたんだって」
私達は、このカラフルな世界でこれからも一緒に生きて行くのだ。
たくさんの、素敵な人達に囲まれて。
まだまだ、考えなくてはいけない事。選ばなければいけない事もたくさんあるけれど。
きっと、この世界でならばやっていける。
カカシは、私をしっかりと抱き締めると心から安堵したように目を瞑る。
そんな彼の様子を満足気にしばらく眺めて私もやがて、目を閉じた。
きっと明日も、今日のような幸せな一日を過ごせる事だろう。
そんな、確信に近い予感。
だって、私の隣にはこの人やサスケ、他にも大好きな人達で溢れているから。
「…明日も、良い一日になれば、いいね」
『はい…。私にとっても。はたけさんに、とっても』
心地良い体温を私達は分かち合いながら、やって来る眠気へと身を預ける。
『…はたけさん。おやすみなさい、また、明日』
「ん。おやすみ…エリ。また明日ね」
今は、この暖かい彼の胸の中が。
私の世界。
モノクローム Fin