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モノクローム【NARUTO】

第32章 花の後と、墓参りとモノクロームと




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花見の後、やっとの事で仕事を終わらせて。俺は足早に自宅へと帰る。

「あーお腹空いた…今日の晩ご飯は何かなぁ」

定時よりは少し時計の針は進んでいたものの、いつもよりは全然早いくらいだ。

やっと自宅を目視出来る距離まで近付いて来た時。俺の目は、家の前に何か異物を見つけた。

「え、カカシ!?」

なんとそれは、地面にうずくまるカカシの姿。

「……」最低

「もーどうしたの?人の家の真ん前で」困るー

「……」さようなら

意味不明な言葉を呟くカカシ。

「……」最低

「あのねぇ、こんな所に這いつくばってたら怪しいよ?人呼ばれちゃうよ?」

「……」さようなら

言ってる事は意味が分からないけれど、彼の身に何があったのかは大体想像がつく。

「…やっぱりカカシは、ちゃんと彼女についていてくれてたんだね。ありがとう…。
大丈夫?家、上がっていく?」

「……いえ」

俺がそう声をかけると、カカシはやっと自分の足でその場に立った。

「帰ります」

「…そっか」

そう言うと彼は、ふらふらと自分の家に帰るべく歩き出した。

そのなんとも言えない頼りない足付きに、物凄く不安になった。
今度は俺が彼を尾行して、無事に家に帰れるのか見届けようかと思ったくらいだ。

「でもまぁ、多分大丈夫だろう」多分…

あのカカシを、あそこまでべこべこに凹ます事が出来る人間は彼女の他にいない。
さぁ、当の彼女は今どうしてるかな?

泣いているだろうか?それとも怒っているのだろうか。

俺は大人だから、優しく慰めてあげるくらいわけはない。
カカシには悪いと思うけど、その役は俺がもらうよ。


俺は、既に解錠されているドアノブを回して家の中に入った。

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