第32章 花の後と、墓参りとモノクロームと

「君はたしか、カカシと親しかったよな！」

『え』

以前の私であれば、問題なく即答出来ただろう。
しかし今は…

『…まぁ、多分…そこそこ、には？』

「じゃぁ、君はカカシの良い所はどこだと思う！？俺達に教えてくれないか！」

「逆に聞いちゃったよ…」はぁ

私は何かを試されているのだろうか。それならば、どこかしらは褒めておかないと…
私は顎に手をやり考える。

『………顔？』

「「……おぉ！」」

そうだよな！と二人のテンションは一気に跳ね上がる。

「そうとも！我がライバルは顔がいい！ ナウい！！あと体もな！そうだ…奴は見た目が良いんだ！」悔しいが

「なるほど…嬢ちゃんはそういう所でも男を見るんだな。了解した！」

『？？』何を…

二人のあまりの圧に思わず片付けの手が止まる。

「俺達はまぁ腐れ縁でな、長い付き合いだ。それこそ子供の頃からな」

「そうだなぁ！」

「一緒に修行もした」

「そうだなぁ！」

「合宿のような、泊まり込みでの修行もした」

「そうだったなぁ！」

「同じ屋根の下で寝泊まりもすりゃ、風呂も一緒に入るわな。
カカシはなぁ…子供の頃から、… “ あれ ” もそりゃ立派だったぞ。
ちなみにガイはまるでドングリサイズ…」

「そう……って おいアスマ！！何言ってる！！
それは子供の頃の話だからな！？おい聞け！」

ガイが真っ赤になって、アスマに食ってかかっている。
というか、本当に何の話を私は聞かされているのだろうか…。

『？？あの、どういう事ですか？』

「え？だから、嬢ちゃんは顔や体で男を選ぶんだろ？それならカカシを勧めるぞって話」

『はい！？』

「そういえば聞いた事があるぞ！カカシと関係を持った女性はもれなく骨抜きになるって話だ。なんでも、類い稀な物凄いテクがあるって噂で」

『ちょ、ちょっと待って下さい！本当に一体、お二人は何の話を…お風呂とか、どんぐりとか』

「察しが悪いなぁ。だから平たく言えば、カカシは俺ら仲間内で一番の…」

「「でかチ」」


ごっちん！！！と、聞くだけでも痛々しい音が辺りにこだました。
思わず目を瞑ってしまった私は、おそるおそる目を開ける。
するとそこには…

「………」はっ、はぁっ

肩で息をして、ガイとアスマを殴り倒したカカシの姿があった。