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モノクローム【NARUTO】

第30章 愛の形と、苦悩と略奪と



——point of view 夕日紅



時の里の問題が、突然に終息した。

一時はかなり大きな問題になっていて、事実 私も何度か潜入調査に駆り出されていたというのに。


怪しい噂があった。

四代目と、カカシ。この二人が同時に一週間程 姿を消した事実がある。と。

別に私は、それに関しては興味がなかった。

そもそも私のような末端の忍に、一国が戦争を回避出来た真相など。正確なものが降りてくるはずもない。


とりあえず、明日休みなった事実だけが私にとっての現実。久しぶりのオフどうしようかしら…

ひとまず今日は飲みね。別に一人でも良いけど、どうせなら誰かにお酌してもらいたいな…

そう思って何気なく辺りを見渡すと、カモ発見。

私はそのカモ(カカシ)を捕まえて、まだ真新しい居酒屋の暖簾を共にくぐる。


私達が通された席の隣には、これは予想外の人物が。あれは四代目じゃないの?いや間違えるはずはない。あれは火影のチャクラそのもの。

っていうか、私が気付いてアンタが気付いてないってヤバくない?アンタがここまで周りに気を張れなくなるくらいの、大きな心配事でも抱えてんのねぇ。まぁ、それがどんなものなのか大体予想はつくけど。


カモだと思って捕まえたのに、大誤算。飲むわ飲むわで、逆に今では私の方がカモにされちゃってるじゃないの!
一体いつまでコイツの愚痴を聞き続けなきゃいけないのかしら。

って、思っていたら…
そこにアスマとガイが現れた。

ラッキーだった。
私は新たに現れてくれたカモ二匹に、すでに ぐでんぐでんに出来上がってる彼を引き渡して家路に着いた。


ねぇカカシ。
…現状が、アンタにとって苦しいものであったとしても。今みたいにたった一人の人間に振り回されちゃって頭抱えて悩んでるアンタは…

なんか、忍じゃなくて。血の通ったただの一人の人間みたい。
そんなのってなんか…私は凄く良いと思うわよ?

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