• テキストサイズ

モノクローム【NARUTO】

第26章 敗北と五年前と、立場と単騎と




ベットで横たわり、一向に起きる兆しのなかったサスケの瞼が。少しだけピクリと反応した。

それにいち早く気付いた俺は、もちろん叫んだ。

「サスケ!!」

隣に立っているミナトも、同じように彼の名前を呼んだ。

「……っ、」

眉間に皺を寄せ、苦悶の表情を浮かべながらも。サスケはなんとか瞳をこちらにやった。


「意識が戻ってよかった…。
サスケ、君は演習場の近くで倒れているのを発見されてここに運ばれた。覚えてる?」

「……くっ、///」

サスケが酸素マスクを外して、身を起こそうとする。
俺はそれを両手で制した。

「起きなくていい。肋の骨とかバキバキだから。
そんな状態で 辛いと思うが…話せるか?」

「い、ま…何時だ、」

サスケが意識を取り戻して、初めて発した言葉だった。

「夜の十時になるところだよ」

「…も、う、四時間以上、経ってる。

アイツが、攫われてから」

サスケの言葉を聞いて、俺とミナトは目を瞑る。

エリが攫われた事を既に俺達は把握していた。
サスケのポケットにその旨を伝える書簡が入っていたのだ。


「奴の、狙いは…どっちだ」

サスケも、事のあらましは把握しているようだ。
彼女が。人質として利用されてしまった事実を。

「……それは、俺達二人とも。だよ」

ミナトがサスケを見下ろして、事実を伝える。


書簡の内容を要約するとこうだ。

エリを返して欲しければ、俺とミナトが二人揃って時の里内部にある黒の塔に来る事。

もし二人揃って来なかった場合や、多勢の部隊で乗り込んできた場合は…

彼女を殺す。

/ 630ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp