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モノクローム【NARUTO】

第25章 切迫と報復と、開戦と危機と




ここ木ノ葉隠れの里から、それなりの遠隔地に その里はある。

その名は、闇隠れの国。時の里。


悠然と誕生したその里は、他里との交流を一切拒み続け、非常に好戦的だ。

その固有性は、うちの里に対して特に顕著。

現に、忍同士の交戦が頻繁に起きている。
それは木ノ葉里周辺であったり、酷ければ里内部で衝突した事もある。

もう傍観できるラインはとっくに越えてしまっている。一刻も早く、新里の詳細を把握して対策を練る必要があるのは明白。


既に、上忍を中心とした信頼の置ける人物を派遣して潜入調査を開始している。

しかし、警戒の強い時の里への調査は難航していた。

未だに顔も分からない長。木ノ葉を目の敵にしている理由。上層に位置する忍の能力の詳細。本当に分からない事だらけである。

しかし、抱えている戦力はそう過大なわけではない。向こうの忍も個々の力はかなりの物だが、おそらくこちらが犠牲を問わず本気を出せば、里ごと握り潰すのは、そう難しくないだろう。

しかしなぜだが、実力行使で新里を潰す気には一向になれなかった。

そうする事は、最善の策ではないと。俺のカンが言っている。


「失礼します」

俺が今後の展開に思いを巡らせていると、ドアのノック音と共にカカシの声が聞こえた。

「ん、どうぞ」

資料に目を落としたまま返事をすると、すぐに声の主が入室する気配があった。

「先生、報告が遅くなってスミマセン」

「いや、いいよいいよ。どうせすぐに大きく局面が動く事はないさ。

で、どうだった?」

初音がテーブルの上にお茶を二つ置き、退室すると。カカシが俺の前に資料を丁寧に置いた。

「…この資料は」

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