第14章 ピンクの矢印と、食育と先生と
その日の夕方、宣言通りにミナトはカカシの家にやってきた。そして四人で食卓を囲む。
「美味しい…。君が作る洋食、ほんと好き。
ね、本当に俺のところに嫁に」
「先生。どうしてエリを急にアカデミーに連れて来たんですか…」
「…俺も驚いた。理由を聞きたい」
私は箸を静かに口元に運び、三人の成り行きを見守る。
「ああ二人とも驚いた?残念だな。俺も見たかったよ。カカシとサスケの驚いた顔」
「答えになってません…」
『でもはたけさん、本当に驚かれて…』
「固まってたな。あれは確かに笑えた」
カカシはジト目で私達を見つめる。
「いや本当に惜しい事をした!
でも、驚かせたかったって理由は半分で…」
そんなしょーもない理由で、五十%も占められているのか。と 思いはしたものの口は挟まない。
「あと半分は、下見だよ。下見」
『…え?』
「「下見?」」
私達は誰一人として、ミナトの言葉の真意が分からない。
ミナトはそんな私達に説明を始める。
「エリ、アカデミーで働かない?
君まだ仕事探してるんでしょう?
実はアカデミーの自由選択講義の枠が空いていてね」
先生、やってみない? と。軽い口調でミナトは言った。
私がどう答えるか考えてる間に、カカシとサスケが先に反応した。
「いや無理だろ!俺は反対だ」
「俺もです!そんな唐突に無理ですよ」
「……そうかぁ…二人は反対かぁ。意外だな。賛成してくれるかと思ったのに」
ミナトは静かにお茶をすする。