第12章 愛の鞭と、レモンと母と
『違う。その角度で刃を入れたら、骨に身が残る!無駄が出て勿体ない』
「くっ…、」
私の思い描いているベストな結果は…
バッテラが魚好きを認め、魚を捌けるようになり。店の切り盛りを女将さんと共にやっていく事。
懸命に魚を捌くバッテラ。
それを指導する私。
魚を捌いてる息子の後ろ姿を、一秒も見逃すまいとする女将さん。
そして…
接客をするカカシ!
「はい…四両ね。毎度どうも」はぁ。俺…友達に仕事押し付けて何やってんだろ…
『あ、そうだ…。あの、はたけさん』
私は一つ、ある事を思い出す。
「なーに?」
『お願いがあるんですけど…』
私はカカシに、八百屋である物を買って来て貰うためにお遣いを頼んだ。
「おいカカシ!!」
「おーサスケか。任務終わったの?」
「お前…っ、こんな所で何やってる!」
「うーん…そうだよね。俺も本当にそう思う。
でもほら、エリにお遣い頼まれちゃって」
「…見張る為に、仕事アスマに任せたんじゃないのか」
「いや当初はそうだったんだけど。…ま!何も心配はいらなかったみたいなんだよね」
「は?」
「まぁお前も、自分の目で見たほうが早いよ」
「ただいまー」
私は背中で、カカシの声を聞いた。
『あ、おかえりなさい。ありがとうございま
ちょ!まだそれ血わた綺麗に洗えてないから!何度も言ったでしょ。それ怠ったら絶対駄目だって!』
「分かった!分かったって!悪かったよ!たしかにさっきも聞いた!!」
「これは…どうなってるんだ」
きょとんとした表情で、私とバッテラを見つめるサスケ。