第10章 仕事と自立と、喧嘩と鯛と
家事をこなしながら、頭ではもちろんカカシを怒らせた原因を考える。
『………』
ミナトさんのプロポーズを受ける。と言った事だろうか。
いや、
死ねと言われれば死ぬのか。の問いに はい、と即答した事か。
はたまた私が言った…
この命、二人の為に使いたい。 か?
『…重すぎたのかな。気持ち悪いって、思われたのかも』
家の中でぐちぐち考えているだけでは気が滅入ってくる!買い物ついでに外に行こう。
何を隠そう今日から、私は一人で外に出る事を許可されているのだ。
私はいそいそと買い物バッグの中に、カカシから預かった財布を大切にしまう。
何度かカカシと歩いた商店街を、今日は一人で歩く。
元いた世界では、ここまで賑わっている商店街にお目にかかれる事はまずなかった。
買い物をするにも、まずスーパーで済ませていたし。こういった場所で買い物をするようになったのは、ここに来てからだ。
まず最初に目指すは、やはり…
「おお!嬢ちゃん!今日はずいぶん早いね!しかも一人で買い物かい?」珍しい
『はい。おじさん、こんにちは』
私はこの八百屋以外で野菜を買う事はない。絶対の自信が持てるほど、私はここの野菜に惚れ込んでいた。
『今日のおススメなんですか?』
「今日はそうだなぁ、南京に人参、レンコンと…チンゲンサイは間違いないよ!」
『いいですね…じゃぁ…そこのカゴの物と そのレンコンと…あ、あと春菊下さい』