第2章 偶然で必然的な出会い
「はー...冷たかったぁ...」
目的のケーキ屋さんはバイト先からそれほど遠くはなかったけど運悪く道中3つある信号すべてに引っかかってしまいかなり濡れた
ほんと今日はついてない
可愛らしい茶色の扉を開けると甘い香りと暖かい空気が冷たく冷えた体を包み込んでくれた
「いらっしゃいませ、ご注文は何にされますか?」
「あ、モンブランとホットコーヒーで」
「かしこまりました、イートインスペースをご利用でしょうか」
「はい」と答えると店員さんは申し訳なさそうに「ただいま店内込み合ってましてイートインスペースをご利用のお客様には相席をお願いしてるんです」
「あー、そうなんですか」
相席ぐらいなら別にいいかな
相手が変な人だったら話さなかったらいいだけだし
「はい、大丈夫です」といいお会計を済まし店員さんからモンブランとホットコーヒーの乗ったトレーをもらった
お店の奥に進むと少しお洒落な空間があり貴婦人同士が世間話に花を咲かせていたり僕と年齢の近そうな少年が一人で考え事をしながらコーヒーを飲んでいたりする
空いてる席は5つほどあったけど座っているのがいかにも怖そうなご老人だったり談笑中のご婦人らの端っこだったりととてもじゃないけど長時間いられないので
「あのー...相席いいですか?」
学ランに身を包んだ少年に声をかけた