第12章 第十二話 うさぎさんのお父さん
テーブルに美味しそうなキノコのカレーが並びました。
「これ、お父さんが?」
うさぎさんは驚いています。
「そうだよ
これをうさぎに食べさせたくて、わざわざ来たんだ」
「えっ?私を連れて帰るんじゃ…?」
うさぎさんは混乱してしまいました。
「ん?なんの事だ?
うさぎもここで楽しく暮らしているんだろ?」
どうやら連れて帰るのは、うさぎさんの思い違いのようです。
「でも、なんでカレーなの?」
「こんどカレー屋を始めるんだ
だから最初はうさぎに食べてほしくてね」
お父さんは少し照れたように言いました。
「カレー屋?お父さんが?」
うさぎさんはびっくりしました。
「とにかく食べてみてくれ
お友達もどうぞ」
お父さんに進められ三人はカレーを食べました。
「美味しい!」
うさぎさんは更にびっくりしました。
「これは本格的なスパイスを使ってますね」
ノラさんも感心しています。
「ほんとに美味しい!
これなら繁盛間違いないわね」
エミリーさんも絶賛しています。
うさぎさんはカレーを食べながら、このままここで暮らせる事に安心しました。
「それじゃあ、皆さんこれからもうさぎをよろしくお願いします」
翌日、お父さんは見送りに来た皆に挨拶をして帰っていきました。
うさぎさんはお父さんが見えなくなるまで手を振っていました。
つづく。