第11章 第十一話 ジョーさんのクリスマス
ジョーさんは野山を一回りして、今日も平和な事を確認しました。
「今夜も何事もなかったな…」
ジョーさんの吐く息が白くなっています。
「後少し見回りして今夜は終わるか…」
空を見上げると、白い物がちらほらと落ちはじめました。
両親と別れたジョーさんは、しばらく野山を離れていました。
「ジョー、どこ行ってたんだよ」
帰ってきたジョーさんにノラさんが心配して聞きました。
「ジョーの事だから、どこかで遊んでたんだろ?」
ゴンさんがからかいました。
「うるせぇ、ゴンと一緒にするな
ちょっと群れの様子を見てきただけだ」
なんだかんだ言っても両親の事が気になっていたジョーさんでした。
「積もるのか…」
もうすぐ夜明けになります。
帰り道にノラさんの店の前を通ると、まだ明かりが点いています。
「ん?まだ騒いでるのか?」
ジョーさんが少し呆れていると、突然店の扉が開きノラさんが出て来ました。
「よっ、中に入れよ」
ジョーさんは店の中に引き入れられました。
「「「メリークリスマス!」」」
店の中に野山の仲間が集まっていました。
「こんな時間に…」
「みんなジョーを待ってたんだよ」
ジョーさんは苦笑いしながらも、サングラスの奥には光る物が見えたました。
つづく。