第9章 梅雨時
うさぎさんは首を傾げました。
「えっ?わたしに?」
「まぁ、良いから良いから♪
それより、新しいお菓子作ってきたの♪
うさぎ用に甘さ控え目だから試食してみて」
エミリーさんは綺麗な彩りのお菓子を並べました。
「わぁ綺麗♪美味しそう♪
じゃあ紅茶淹れなおすね」
二人はエミリーさんのお菓子を食べながら紅茶を楽しみました。
その頃、マコトさんは熊のゴンさんちにいました。
「ちは~洗濯屋で~す」
「マコトかぁ?ちょっと裏に来てくれ!」
マコトさんはゴンさんの声に従って家の裏に回りました。
ゴンさんは弟子でタヌキのハチさんとヤスさんと何かを作っていました。
「今、手が放せねぇんだ
そこに洗濯物があるから頼むわぁ」
ゴンさんが見つめる先に洗濯物が置かれてました。
「分かりました!
まいどあり~♪」
マコトさんは洗濯物を引き取ると、狐の銀さんちに向かいます。
「ちは~」
「あらあらマコトさん、いつもご苦労さま」
「銀婆ちゃん、洗濯物ありますか?」
「今日はありませんよ
それより、ケイ子ちゃんは元気かしら?」
帰ろうとしたマコトさんは足を止めました。
「えっ?あぁ元気ですよ」
(あっ…しまった、答えちゃったよ…)
「ケイ子ちゃんが小さい時はよく遊びにきたのよ」
「あの~銀婆ちゃん?」
「そうそう、一緒にエミリーちゃんも来たわね」
(…やっぱり…止まらないか)
マコトさんは銀さんの立ち話に一時間も捕まってしまいました。