第8章 うさぎさんのバレンタイン
「こんにちは」
うさぎさんが振り返ると大きなチョコがありました。
「えっ?チョコ?」
「わたしよ」
チョコの後ろからリスのエミリーさんが顔を出しました。
「まぁエミリー、こんにちは
そんな大きなチョコ、どうするの?」
「これからバレンタインのチョコを作るのよ」
エミリーさんは大きなしっぽを振りながらニッコリと笑いました。
「それって大き過ぎない?」
「良いのよ、ゴンさんにあげるんだから…」
エミリーさんは熊のゴンさんにあげるバレンタインチョコを作るようです。
「で、うさぎは誰にチョコあげるの?」
「わたし?…」
うさぎさんは首を横に振りました。
「えっ、誰にもあげないの?」
「用意もしてないし、あげる相手もいないわよ」
エミリーさんは少し考えてから言いました。
「うさぎの事が大好きで、彼女がいないのいるじゃない
作ってあげたら、凄~く喜ぶと思うけど…」
(喜ぶと言うより倒れちゃうわね、たぶん…)
「えっ?誰かしら?」
うさぎさんはキョトンとし小首を傾げました。