第7章 野山の正月
野山のお正月は梟の源さんの挨拶から始まります。
「皆さん、明けましておめでとうございます
皆さんで新年を祝いましょう」
広場に集まった仲間達には、山猫のノラさんの料理や、リスのエミリーさんのお菓子が振る舞われました。
みんなそれぞれに好きなものを食べていました。
するとお菓子の置いてある方が騒がしくなりました。
「何かあったんかのぉ?」
「おジィ、僕が見てくるよ」
源さんの孫の総次郎さんが飛んで行きました。
総次郎さんが騒がしくしている人だかりに来ると、真ん中で熊のゴンさんが暴れそうなのを弟子でタヌキのハチさんとヤスさんが押さえているようです。
「親方!ダメですよ!」
「ハチ!ヤス!離せっ!
この野郎をぶっ飛ばすっ!」
怒っている相手は狼のジョーさんのようです。
何やら物騒な事になっていました。
総次郎さんは近くにいたうさぎさんに聞きました。
「何があったの?」
「ジョーさんがエミリーの作ったお菓子が甘すぎるって言ったのよ
そうしたら、ゴンさんが怒りだして…
エミリーもノラさんも次の料理の支度でいないし困ったわ」
うさぎさんは心配そうな顔をしていました。
そこに狐の銀さんとお孫さんがやってきました。
「おやおや、騒がしいと思ったら、またゴンとジョーなの…」
「またってあの二人仲悪いの?」
うさぎさんと総次郎さんは顔を見合わせ首を傾げました。