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うさぎさんの日常

第1章 はじめまして


昔々、いろいろな動物たちが仲良く暮らす野山がありました。

そこに一匹の白うさぎがやって来ました。

木にとまっていた梟が言いました。
「ようこそおいでなさった
旅の方かな?」
白うさぎは答えました。
「月の山から引っ越してきた、三日月うさぎです」

「新しい仲間じゃったか
ワシは源じゃ
みんなに挨拶してきたらどうじゃな」
梟の源さんに続いて、狐が挨拶してきました。
「私は森に棲む銀よ
源さんとは長い付き合いでね
昔は…」
狐の銀さんの話の途中に熊が割って入りました。

「銀婆ちゃんの話は長いから、聞き流してな
俺は大工のゴンだ
力仕事なら任せてくれ」
「…でね、源さんは…」
銀さんはまだ源さんの話をしていました。

「うさぎさん、私はパティシエのエミリーよ
仲良くしましょ」
可愛らしいリスのエミリーさんがお菓子をくれました。
「…そしたら源さんがいきなり…」
本当に銀さんの話は長いみたいです。

近くの川で鯉が手招き(ヒレ招き?)しています。
「私は錦と申します
昔はここから湖までの案内人をしてました
この川は端から端まで存じております
川から湖まで、いつでもご案内いたしますよ」
とても礼儀正しい鯉の錦さんです。

「あの…僕は…」
「何照れてるねよ!」
リスのエミリーさんに怒鳴られているのは山猫です。
「こんにちは、山猫さん」
うさぎさんが声をかけると山猫は、尻尾をピンと伸ばして手で顔を撫でています。
「ほら、ノラさん
ちゃんと挨拶しなさい」
また、エミリーさんに怒鳴られています。
「あっ、はい
僕は…ノラって…言います…
シェ、シェフ…やってます」
山猫のノラさんは今にも消えそうな声で挨拶しました。
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