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Happy Birth Tea(進撃の巨人)《リヴァイBD》

第5章 緊急事態


『そんなの駄目ですよ。調査兵団の皆さんにご迷惑がかかります…』

『俺が良いって言ってる』

いつかちゃんとした店を持ちたいと言っていたフユを、ここで終わらせるわけにはいかない。

『フユは店の心配をしなくていい。丁度いい、これから雪も酷くなる季節だ。外での営業も限界だろう。他のことでも考えてゆっくりしてろ』

他のことというのはリヴァイへの返事の事だとフユはすぐに分かった。

『はい……』


そんなやりとりをしていると、遠目から駐屯兵がリヴァイを呼んでいた。
たまたまリヴァイを見かけた駐屯兵が、ピクシス司令から調査兵団宛の手紙があるから兵舎に来て欲しいということだった。


『クソっ、タイミング悪いな…。あの司令にフユを会わせるわけにはいかねぇし…俺1人で行くか』

『私は付いて行けませんよ。リヴァイさんはお仕事ですからね。私の店は今年いっぱいなので色々片付けもありますから気にしないでください』



『……気にするなとか無理言うな』


フユの頭から被せていたコートを両手で引き寄せ、触れるだけのキスをする。


『前も言ったが、俺はフユが好きだ。惚れてる女のことを気にしない男はいねぇ…。グロリアもフユもまとめて任せろ』

『リヴァイさん…不意打ちは…恥ずかしいです…。でも、ありがとうございます…』

『…次に会うのは俺の誕生日でもある、クリスマスだ。迎えをやるからそれに乗って兵舎に来い。またどんちゃん騒ぎでもするだろうよ』

フユはクスクスと笑う。




『あ、あの…リヴァイ兵士長お取り込み中、申し訳ありません。そろそろピクシス司令のところへ…』



腰を屈めながら申し訳なさそうに近付く駐屯兵。
すっかり存在を忘れていた2人。キスまで見られたかもしれないと思うとフユは動揺してしまう。
それとは反対にリヴァイは何事もなかったように、わかっていると普通の対応。

『あっ!リヴァイさんコート!!』

『平気だ、それ着て帰れ。俺は駐屯兵に何か借りて帰るからな』

リヴァイはフユの頬に触れる。とても平気そうではないぐらい冷えていた。フユは頬に触れたリヴァイの手が、自分の体温の全部がリヴァイに流れたらいいのにと思った。

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