【黒子のバスケ】黄瀬君!あなたの彼女に立候補していいですか!
第5章 黄色い君と変人女との運命の出会い
「・・・・・。」
『・・・・・。』
だから、そう言ってんだろ。何度も同じ事言わすんじゃねーよと言いたげな顔で、冷めた目で見下ろされた後に「...そーすね。」と短い返事を返した後で、金髪のイケメン君ははたと携帯の画面を見だすと青白い顔をした。
「....て!!こんな事してる場合じゃなかったっす!
早く朝練行かないと、また笠松先輩にシバかれる!!」
何やら焦りだした彼は、改めて鞄を持ち直すと「じゃ!」と短い別れの言葉を告げて走り去っていった。
『なんだったんだ、一体...』
嵐のようだった出来事に、杏奈は暫く呆然とすると気を取り直したのか目的地である海常高校に向かおうとするも、足元に何やら物が落ちている事に気付く。
『...なんだこれ?』
よく見ると、杏奈が通うはずの海常高校の生徒手帳が落ちていた。
持ち主を確認する為中身を開けてみると、生徒手帳の顔写真にはなんと、先程まで会話をしていた金髪イケメン君が写っているではないか。
『...海常高校一年 黄瀬涼太?』
黄瀬くんていうんだーとか、同じ学年なんだーとか思いながらも、生徒手帳は後で届ければいいやとスクールバッグの奥底にしまう。
『...学校行こ』
暫く放心した後に、目的地である海常高校に向かうのであった。