第8章 死に物狂いの鬼ごっこ
「っ!」
杏寿郎の顔を真っ直ぐに見て笑う雪に、杏寿郎は胸がグッと締め付けられる感覚になる。
あー、疲れたー!!と体を伸ばす雪に、自然と手が伸びる。
「今日は疲れただろうから、俺の家に来ると良い。ちょうど、千寿郎も会いたがっていたからな!」
『良いんですか?!』
「あぁ!もちろんだ!…少し我慢してなさい。」
『?…え?!…うぇっ?!!!!し、師範!』
雪を横抱き…所謂、お姫様抱っこをする杏寿郎。
疲れ切った体では時間がかかると思ったからだった。
煉獄邸ーーー
「父上!千寿郎!ただいま戻りました!」
「お帰りなさい。兄上…えぇ?!雪さん?!」
「杏寿郎……降ろしてやりなさい。」
『ぁ… 愼寿郎さん、ご無沙汰しております。高いところから申し訳ありません。千寿郎くん……久しぶりだね…』
両手で顔を隠す雪。
驚く千寿郎と呆れる愼寿郎を他所に、杏寿郎は???を浮かべていた。
『…もう、勘弁してください…』
Fin(強制終了)